アメリカ南西部の風景
車の運転が好きな人ならば、一度は走ってみたいと思うであろう、どこまでもまっすぐな道が続くアメリカの荒野の風景。日々、ビルに囲まれた都市部に暮らしていると、いや、自然豊かな場所だとしてもすぐそばに山や海が迫っている日本であれば、まず目にすることもないであろう、広大無辺の開放的な景色。そのあまりの雄大さに距離感がバグってしまって、目に見えているあの道路の先まで一体どれくらいあるのか、想像もつきません。
こんな景色を見るたびに、思いだすたびに、どこでもドアがあったらなぁと心から思うのです。色々なものが押し寄せてきて辛い時、頭ではわかっていても中々上手くいかない時、自分の思いが伝わらずにシンドイ時、ちょっと扉をくぐり抜け、ほんの数時間でも、いやほんの数十分でも、こんな景色の中に身を置くことができたなら、どれほど心が楽になるだろうかと。毎日5分だけでも、こんな風景の中で過ごすことができたなら、どれほど身体が解放されるのだろうかと、そんなことを思うのです。
現実的な話として、「どこでもドア」はやっぱり非現実的だとしても、少し未来の話であればバーチャルが今よりもさらにリアルになって、三半規管も視覚も脳も全て騙されてしまうほどに、本物と見まごうほどに、目の前に繰り広げられる風景が「リアル」なものになれば、心はやはり少し楽になるのでしょうか。そんな時代まで生きていられるのかはわかりませんが、ちょっと体験してみたい気もします。そんな時代になったのならば、戦争も争いも全てバーチャルの中でやって頂いて、現実には適度な距離を保つなどして、皆平和で穏やかに暮らせる未来であるといいですね。