世界の美しい風景 ワルシャワ旧市街のクリスマスツリー ポーランドのクリスマスの風景
その賑わいや伝統的な美しい街並み、趣ある風情、伝統などを、かつての日本の中心地である京都になぞらえ、「~~の小京都」と呼ばれる町が日本の各地にあります。例えば秋田県の角館町は「羽州の小京都」、富山の城端町は「越中の小京都」、兵庫の丹波篠山は「丹波の小京都」、鳥取の倉吉は「伯耆の小京都」といった具合。同じく川越や栃木など、江戸時代の中心・江戸に見立てて、「小江戸」と呼ばれる町もあります。
同様にヨーロッパでは、かつての文化・芸術の中心都市の一つであり、「花の都」と称えられ、多くの人があこがれたフランスの「パリ」になぞらえて「~~のパリ」と呼ばれる(呼ばれた)都市が存在します。ポーランドの首都「ワルシャワ」もそんな都市の一つ。かつての首都であった「クラクフ」から1596年に新たに首都となった「ワルシャワ」は、その賑わいや町の規模と美しさから「北のパリ」と呼ばれて称されました。
しかしながら、歴史に詳しい方ならご存じの通り、ワルシャワは第二次世界大戦時にはナチスドイツの侵攻を受け、大戦末期にはその8割以上が爆弾や砲撃などで壊滅状態となってしまいます。多くの歴史的な建物が残っていた旧市街もがれきの山となってしまったのです。でもワルシャワの人々はそれにくじけませんでした。かつての町並みを取り戻す決意を固め、ワルシャワ(およびポーランド)中の人々の熱意と情熱とたゆまぬ努力により、建物と町は見事に復元され、かつての美しさと中世の雰囲気を感じられる旧市街地の美しさが取り戻されたという経緯があるのです。
写真はそんなワルシャワ旧市街のクリスマス時期の夜の風景。1984年に再建された、往時のワルシャワの華やかさを想起させるバロック風建築「ワルシャワ旧王宮」(現・王宮博物館)と王宮前広場の美しく光り輝くクリスマス・ツリーの様子です。ワルシャワ旧王宮を含むワルシャワ旧市街一帯は、「ワルシャワ歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されています。