ワディラムの赤い砂漠 ヨルダンの風景
ヨルダンの首都アンマンから南に約300キロメートル、車で4時間ほどの場所に位置する「ワディ・ラム」は赤茶けた岩や砂漠、山、谷が連なる荒野として知られるエリア。その迫力ある大自然の景観は多くの人を魅了し、キャンプやクライミングなどが盛んな場所としても人気です。
この場所に行ったことがなくても、そもそも「ワディ・ラム」という地名さえ聞いたことがなくても、なんとなくどこかで見たことがある、なんかこの風景を知っているような気がする、という方もいらっしゃるかもしれません。実はそれはまんざら気のせいや思い込みや勘違いなどではなく、どこかで目にしたことがある可能性も高いのです。
この「ワディ・ラム」は、自然美と「現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」を評価され、世界遺産「ワディ・ラム保護区」になっているのですが、その一方で、古くは1962年の「アラビアのロレンス」から、リドリースコットの「プロメテウス」「オデッセイ」、さらに、「レッドプラネット」や「トランスフォーマー」、そして「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」など、名だたる映画のロケ地、撮影場所として用いられ、ある時はエジプトとして、またある時は火星やエイリアンの惑星として、様々な形でスクリーンに登場しているのです。
吹きすさぶ風に赤茶けた砂が舞い、荒野に宇宙船が降り立つ、なんていうシーンで「ワディ・ラム」の風景が用いられ、異世界の雰囲気あふれる場所として映画の中で重要な舞台となっていて、上に挙げた映画を見たことがある方なら、必ずこの「ワディラム」の赤い砂漠や岩などの光景を目にしているという訳です。