冬の夕暮れのキジ島の眺め カレリア共和国 ロシアの風景

冬の夕暮れのキジ島の眺め カレリア共和国 ロシアの風景冬の夕暮れのキジ島の眺め カレリア共和国 ロシアの風景

ヨーロッパで2番目の大きさを誇るオネガ湖は、ロシアの北西部にある淡水湖。ロシア第二の都市サンクトペテルブルクから北東に約435キロメートルほどの場所にある。そのオネガ湖に浮かぶ島がキジ島(キジー島、キージ島)だ。ヨーロッパやロシア、もしくは地理全般に詳しい方でもなければ、「ヨーロッパで二番目の大きさの湖」と聞いてもピンと来ないかもしれないが、その面積は約9,894平方キロメートル。日本最大の湖「琵琶湖」が面積約670平方キロメートルだから、実に琵琶湖の15倍近い大きさを持つ広大な湖だ。

そんなオネガ湖には約5000ともいわれる大小さまざまな島があるが、キジ島はそんな島の一つで長さ約5.9キロメートル、幅約1キロメートル、面積約5平方キロメートルほどの細長くて小さな島。北緯62度05分00秒、東経35度13分00秒、カレリア共和国の首都ペトロザヴォーツクから約68キロメートルの場所に位置し、真冬にはマイナス40度近くになる島だ。そんなキジ島には、主に4月から9月の観光シーズンに、ロシアはおろか、世界中から「あるもの」を見に観光客が訪れるのだが、それが写真にも写っている木造の教会建築群。

16世紀ごろにはその原型が造られたと伝えられる教会は、火事や天災、老朽化などによる、焼失や破却、そして再建などを経た後、1966年にロシア木造建築博物館がキジ島に設立されたことをきっかけにロシアの他の地域から移築された歴史ある貴重な木造建築と共に、壮麗な木造建築群となった。1990年にはキジー・ポゴスト(キジ島の木造教会建築)として世界遺産にも登録されている。