ロンドン 雪の日のノッティングヒルの風景
北緯51度と、東京の北緯36度や札幌の北緯43度などと比べてもかなりの高緯度に位置するイギリスの首都ロンドン。とはいえ、北大西洋海流と偏西風のおかげもあり緯度程には寒くないことはよく知られています。気圧配置などによっては冷え込むこともありますが、1月の平均気温は4.4度で、体感的には東京の1月とあまり変わらないかやや寒い位の印象です。
ただ緯度が高いということは冬の昼間の時間は短いということで、朝は明るくなる時間が遅く、夕方も16時頃には暗くなってしまいます。なおかつ本州の太平洋側の都市の様に晴れの日が多い訳でもなく、どんよりと曇った日が多いので気が滅入ってしまいがちなのです。
それでもまだ12月はクリスマスの飾りやイルミネーションで通りも建物も華やかに彩られ、賑やかな街の雰囲気で気持ちも盛り上がるのですが、1月になると街は落ち着きを取り戻します。
そうすると、日の短さやどんより曇り続きのお天気のせいもあって、イギリス国内では鬱の人が増えるといわれるのです。
「雪」でも降れば(好き嫌いや交通の不便さは別として)、多少の気分転換にもなりそうなものですが、ロンドンでは雪も滅多に降ることはなく、降ったとしてもパラパラと降って、翌朝には消えてしまう様な、まさに東京の冬の降雪状況によく似た天候なのです。
要は、乾燥こそするもののよく晴れた好天の日が続く東京から晴れの日を取り除き昼間の時間を短くしたのが、「1月のロンドン」と言うことができるでしょうか(やや強引ですがロンドンで一度でも冬を過ごしたことのある方なら多少のニュアンスはご理解頂けるかと思います。)
ジメジメとした梅雨時期の東京の天気と比較すると、日が長く適度に乾燥して爽やかに晴れる日の多い6〜7月のロンドンの陽気は最高ですが、そのバランスを取るかの様に、冬のロンドンは晴れた日の多い東京とは対照的な様相を呈するのです。
写真は、そんな冬のロンドンでは珍しい雪景色の町並みの光景です。「ポートベロー・ロード」で開かれるアンティークのフリーマーケットや、映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台となったことで知られるノッティングヒルのカラフルな家々と、冬枯れのモノトーンの通りと真っ白な雪が対比的な美しさを醸し出しています。