夕方のサンティアゴ・デ・チレ チリの風景
東西の幅は約200キロメートル前後に対して、南北はおよそ4300キロメートルもある、世界で最も細長い国「チリ」。面積は756,950平方キロメートル(世界37位)で、人口は1900万人あまりを擁しています。首都「サンティアゴ・デ・チレ」は、南米の中では、ブラジルのサンパウロ、 リオデジャネイロ、アルゼンチンのブエノスアイレス、ペルーのリマ、コロンビアのボゴタ、ベネズエラのカラカスなどと並ぶ巨大都市として知られており、その人口は560万人余り。人口1900万人の国の人々のうち560万人あまりが首都に住んでいるという、驚きの都市人口比率ですが、これは南米大陸の国と都市の成立と発展の歴史に大きく関わっていて、南米の都市の多くが中世の時代、ヨーロッパから白人たちが渡ってきて、現地の先住民の有無を問わず、住みやすそうな場所や先住民からの攻撃を防御しやすい場所に町を築いたから、といわれています。
サンティアゴは、1541年、スペイン人の「侵略者(征服者=コンキスタドール)」ペドロ・デ・バルディビアが「ウエレンの丘(現・サンタルシアの丘)」に要塞を築き、この地を征服、町を作ったのがその始まりとされています。町はバルディビアの故郷エストレマドゥーラ州にちなんで「ヌエバ・エストレマドゥーラ」と名付けられました。バルディビアらがこの地を選んだ理由として伝えられているのもやはり、温暖な気候で住みやすく、盆地で周囲からの見晴らしも良く土地の中央に川が流れ、敵対していたマプーチェ族に対する防衛がし易いからというもの。(バルディビアは結局、のちにマプーチェ族との戦いで命を落としています。)その後、1810年~1818年にかけて起きたチリ独立戦争を経て、町は正式にチリの首都となりました。
写真はサンティアゴの夕暮れの風景。盆地に位置し、すぐそばまでアンデス山脈が迫るサンティアゴならではの絶景です。