夕暮れのコルコバド国立公園 コスタリカの風景

夕暮れのコルコバド国立公園 コスタリカの風景夕暮れのコルコバド国立公園 コスタリカの風景 コスタリカ オサ半島コルコバド国立公園

インドネシアの離島やアマゾンの奥地、南極など、地球にはまだ「秘境」と呼ばれる場所が残っているが、中米の「コスタリカ」もそんな場所の一つ。スペイン語で「豊かな海岸」を意味するこの国は、コロンブスがこの場所を「発見」した際、先住民が美しい金細工の装飾品を身に着けていたことから名付けられたと言われる。カリブ海と太平洋に面した広さ約51,060平方キロメートルのエリアに約500万人ほどの人々が暮らしており、かつてはコーヒーとバナナが主な収入源であった。そんなコスタリカは1980年代以降、アメリカをはじめ、南米やヨーロッパ諸国などから観光客が多く訪れるようになる。

それは、西洋人がヨーロッパからやってきた16世紀以前にこの地に暮らしていた先住民の多様な文化(そのほとんどは虐殺や疫病などで廃れたともいわれる)の僅かに残された影響と中世ヨーロッパの文化にさらにアフリカの黒人文化などが融合した、この地独特の文様や意匠などの装飾品や建築物、文化風習などもさることながら、「地球最後の楽園」「世界に残された数少ない秘境」などともいわれる豊かな生態系を内包した大自然の魅力だ。世界で第125位という小さな国ながら、地球上すべての生物種のうち、5パーセントが生息、富士山よりも高い標高3901メートルのチリポ山があるほか、4つの世界遺産があり、そのうち3つは自然遺産であることからも、その大自然の豊かさが想像できるだろう。

写真は、そんなコスタリカの中でもさらに「コスタリカ最後の秘境」とも呼ばれる「コルコバド国立公園(コルコバード国立公園)」の浜辺の風景。国土のおよそ4分の1が自然保護区となっているコスタリカの国立公園の一つで、陸路が存在せず、船で海から訪れるしかないという文字通り「秘境」感に溢れる場所だ。ここにしかいない「固有種」や絶滅を危惧されている「マーゲイ」「ベアードバク」「ジェフロイクモザル」「リスザル」「マントホエザル」などのほか、「クモザル」「ホエザル」「オマキザル」「ハナグマ」「コアリクイ」「オセロット」「ピューマ」「フタユビナマケモノ」「ジャガー」などの哺乳類、「ハチドリ」に「フクロウ」「タカ」などの鳥類、「アカメアマガエル」「アマガエルモドキ」「ヤドクガエル」などの様々なカエル、220種の蝶等、多種多様な生き物が多数生息しており、生物学者やカメラマンはもちろんのこと、普通の人にとっても「地球の自然の豊かさとその魅力」を肌で感じることができる場所となっている。