世界の美しい風景 クリスマス・シーズンのアルザス地方コルマール フランスの冬の風景

クリスマスシーズンの夜の風景 コルマール フランスの冬の風景クリスマスシーズンの夜の風景 中世の町並みが今も残るコルマールの風景 フランスの冬の風景

中世の香り漂う、古くて美しい家屋が並ぶ伝統的な町並みと、現代的なカラフルでまばゆいイルミネーションのちょっとアンバランスな光景の美しさで観光客の目を楽しませるフランスのアルザス地方コルマールのクリスマス・シーズンの夜の風景。

コルマールは、フランスの北東部、ドイツとスイスの国境にほど近いアルザス地方にある町。同じくアルザス地方にある町ストラスブールなどと共に、中世の景観、伝統的な町並みが今も残る場所として知られています。

アルザス地方は伝統的に、ドイツ系の流れをくむアルザス人が多く暮らす地域で、第二次世界大戦以降はフランスに属していますが、ライン川がそばを流れ、位置的にもヨーロッパの地政学上重要な場所であったために、ドイツとフランスの文化が混ざり合う、独自の文化を持っています。そんなアルザス地方の名物といえば、アルザスワインに、「ベックオフ」や「シュークルート」に代表されるアルザス料理。そしてもう一つが古き良き時代の雰囲気が残る伝統的なアルザスの町並みです。

フランス語では「コロンバージュ(Colombages)」、ドイツ語では「ファッハヴェルクハウス(Fachwerkhaus)」、英語では「ティンバーフレーミング(timber framing)」、日本語では「木骨造り」と呼ばれる、木材で柱や梁を築いて骨組みとし、石材やレンガ、漆喰などを用いて壁を築くことで建築される構造、中世ヨーロッパで多くみられた建築様式、で建てられた家屋が今も残されており、その伝統的で美しい町並みは訪れる観光客の目を楽しませるのです。

コルマールもそんな伝統建築が多く残されている町で、中でもフランス語で「プティット・ヴニーズ地区(小さなヴェネチア)」とよばれるエリアには、運河が流れ、その両岸に伝統的な家々が並んでいて、中世の時代にタイムスリップしたかのような美しい景観が広がっています。

写真はそんな中世の雰囲気漂うコルマールのクリスマス時期のイルミネーションで装飾された夜の家並みの風景。伝統的にはロウソクや暖炉、ランプ、灯明などで夜の明るさを確保していた昔の人々。「夜の明るさ」といっても当然、現代とは比べ物にならないくらい当時の夜は暗かったことでしょう。そんな時代の人々が今にタイムスリップしてやってきたら、眩しいほどの輝きにさぞや驚くに違いありません。中世にタイムスリップしたような伝統的な美しさを堪能する現代の人々が、もし実際に中世の時代にタイムスリップしたらどんなことを思うのでしょうか。