コジオスコ山 オーストラリアの風景

コジオスコ山 オーストラリアの風景コジオスコ山 オーストラリアの風景

世界中の一流登山家の目標の一つであり、ラインホルト・メスナーや野口健、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した田部井淳子らが成し遂げた偉業の一つ「七大陸最高峰」の登頂。アジア大陸のエベレスト(8,848メートル・所在地 ネパール、中国)を筆頭に、ヨーロッパ大陸のエルブルス山(5,642メートル・所在地 ロシア)、北アメリカ大陸のデナリ(マッキンリー)(6,190メートル・所在地 アメリカ合衆国)、南アメリカ大陸のアコンカグア(6,962メートル・所在地 アルゼンチン)、アフリカ大陸:キリマンジャロ(5,895メートル・所在地 タンザニア)、オーストラリア大陸のコジオスコ(2,228メートル・所在地 オーストラリア)、そして南極大陸のヴィンソン・マシフ(4,892メートル・所在地 南極)の7座をすべて登るという、鍛え上げられた人間にしか成し遂げることのできない、まさに「偉業」だが、山にあまり詳しくない人でも上記の七座の標高を見てふと疑問に思わないだろうか。「あれ、オーストラリアの山は随分と標高が低くない?」と。そう、大陸が成立した時期に長らく孤立していた状態にあったオーストラリア大陸は、全体的に浸食が進んだ「平坦」な大陸であり、「大陸」としてその面積が一番小さいこともあって、高い山が少ないのである。

その中での最高峰が標高2228メートルのコジオスコ山。冬にはスキーリゾートになる山でもあり、リフトが設営されているため、ハイキング気分で誰でも登れてしまう。その為、無酸素で8000メートルの山々の登頂を成し遂げた超人メスナーは、七大陸最高峰のリストにコジオスコを入れることに反対、オーストラリア大陸の枠ではなく、ニューギニアなども含めたオーストララシアの枠でプンチャック・ジャヤ(別名カルステンツ・ピラミッド、標高4,884メートル)をリストに加え、自身でもリストの山すべての登頂に成功している。とはいえ、コジオスコ山に山としての魅力がないか、というとそんなことはなく、上述のように冬にはスキーが楽しめるほか、初級~中級向けの雪山として、また夏にはスノーデイジー(ノースポール)やクラスペディアなど美しい花々が咲き乱れる花畑の絶景を楽しむことができる。